aws環境とオンプレ環境での運用を比較!

近年awsのようなクラウドサービスが広く普及してきていますが、まだまだオンプレで運用されている会社も多いかと思います。そんな中オンプレからawsに移行しようとなった際や、awsかオンプレどちらで構築、運用するか決めかねている際に、それぞれどのような違いがあるのか気になりますよね。

そこで今回はawsとオンプレのメリット・デメリットを比較しながら解説していきます。

1.初期投資

まず初期投資について比較してみます。オンプレ環境の場合ですと、サーバはもちろんのこと物理的なスペースの確保、ラックやストレージ、果てはそれらを物理的に配置する際に多大な労働力が必要になります。それに比べaws環境の場合は先ほど挙げたサーバの設置などハードウェアの準備などが必要なく、とても安価に利用開始できます。

初期投資が安価な点はawsの魅力の一つですね。

2.ランニングコスト

次にランニングコストの比較をしてみます。オンプレ環境の場合システムの利用自体には料金はかかりませんが、データセンターの使用量やサーバの電気代などでランニングコストが発生します。たまにオンプレは初期投資は高いがランニングコストはかからない、もしくは安く済むと言う人もいますがそんなことはありません。

それなり以上にランニングコストが必要な場合が多いです。aws環境の場合基本的に毎月使用料を払うことになります。さらに従量課金制のためその金額は毎月変動しますので安い時もあれば高くなってしまう時もあるのでランニングコストの目算がとても立てづらいです。

オンプレもawsも一長一短で一概にどちらが優れていると決めることはできませんが、ランニングコストの目算はオンプレのほうが立てやすいですね。

3.利用開始までの日数

三つ目は利用開始までの日数を比較してみます。オンプレ環境の場合ですとサーバの配置や回線の用意などから始まり、システムの設計、構築をしてようやくシステムを利用できます。システム利用を決定してから基本的に数か月ほど、長い時は年単位でかかってしまうこともあります。

一方aws環境の場合はハードウェアの準備、システムの構築などの必要がなく申し込み後すぐに利用できます。

4.カスタマイズ

四つ目はカスタマイズ性です。オンプレ環境では自社で設計から進めることができるので、社員の要望に沿ったカスタマイズや既存システムの連携なども時間やリソースの許す限り自由に行うことができます。一方aws環境の場合カスタマイズ自体は可能ですがawsのサービスについて網羅しておく必要があり、さらに利用できるアプリケーションにも制限があったりと、自由度はそこまで高くありません。

運用中にカスタマイズする必要がある場合や既存システムとの連携を考えている場合はオンプレ環境を使用したほうが良いです。

⇒awsはサーバレスの運用を可能にするサービス

5.拡張性

次に拡張性を比較していきます。オンプレ環境の場合稼働中のサーバの拡張をしようとする場合どのタイミングで拡張するのか、システムの稼働に影響があるかどうか、サーバは新しく調達するのかどうかなど綿密に何日もかけて拡張を行います。

しかしaws環境の場合は数クリックの画面操作でサーバ台数やcpu、メモリ、ストレージを変更することが可能です。つまり突発的なイベント(アクセスが集中してcpuやメモリの使用率が急激に高くなってしまったなど)が起こった際に一時的にcpuやメモリを増やして、イベントが終了した際にすぐ元に戻すといったことが可能となっています。

6.セキュリティ

六つ目の項目はセキュリティ性になります。オンプレ環境の場合ですと基本的に自社内でシステムが完結していますので、社外に漏れてしまう危険性がかなり少ないです。また設置場所の選定やアクセス権限設定、アンチウイルスソフトなどのセキュリティ対策を自由に施すことが可能です。

次にaws環境の場合ですがaws自体のセキュリティはとても厳重です。ただどうしてもインターネットを経由する必要があるためオンプレ環境よりも適切なアクセス権限やアンチウイルスソフトがとても重要になっています。

社外に漏れてしまったら非常にまずいシステムを運用する際はオンプレ環境を使用しましょう。

7.災害対策

七つ目に災害対策を比較しましょう。まずオンプレ環境ですが自社の運用体制によって変化します。別拠点などにサーバーを設置しておらず全て社内にある場合、オフィスに地震などの天災、火災などがあった場合にサーバが罹災する可能性が高くなってしまいます。

その際の災害対策はすべて自社で行わなければならず、システム復旧のためサーバ調達からまた始めなければいけません。またその際の人材の確保も重要になります。aws環境の場合、例えば自社が災害にあったとしてもサーバは自社とは別の場所にあるため同時に罹災する可能性は低くなります。

また仮にサーバが罹災してもハードウェアの調達などは必要なく、バックアップデータさえあればすぐに復旧することができます。運用体制によりますがawsのほうが罹災時の費用は少なく済みますね。ただ過去にawsが原因の大規模障害が発生したことが何度かあります。

その際には障害が起こった地域の各種サービスが利用できなくなるなど大規模な影響が与えられました。awsでシステムを構築、運用する際はawsで障害がおこることを前提に考えて構築、運用していきましょう。

⇒awsの利便性を向上させるcli運用

8.aws独自の要素

最後に比較できないaws独自の要素としてサポートが充実している点を紹介します。awsはサービスを組み合わせてシステムを快適に運用していくのですがサービスごとに相応の知識が必要になってきます。もちろん全て完璧に熟せれば良いのですがそうもいきません。

そのためawsはサポートが充実しています。基本的なカスタマーサービスから始まり、awsのテストまたは初期開発を行っている開発者向けの開発者サポートプラン。開発者サポートプランに加えエンジニアによる24時間365日のテクニカルサポートが提供されるビジネスサポートプランと多岐にわたって手厚くサポートされています。

このようにサポートが充実している点もまた魅力の一つですね。

まとめ

ここまでオンプレ環境とaws環境を比較した際のメリットデメリットを説明してきました。

オンプレにはオンプレの、awsにはawsの良さが存在しますので、利用目的に応じてオンプレ環境にするのかaws環境にするのか選択することが重要です。

またハイブリッドクラウドという二つの特徴を備えたものも誕生しています。それぞれの特徴を吟味したうえでどれが自社サービスに最適か考えていきましょう。